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花まんま

アップロードファイル 51KB 遅ればせながら、直木賞受賞作の「花まんま」(朱川湊人)を読みました。小説は久しぶりです。そこそこ評判がいいし、昭和40年前後の大阪が舞台となっていることもあって、目を通しておく必要を感じていた本です。

 6篇の短編からなり、前半の「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」の3作は、なかなか上手いと思いました。本の半ばまで読んだ状態で ichi に感想を聞かれて、「面白いよ。読んだら?」と勧めることができました(^^)。

 ところが、後半で失速(うむぅ)。表題作「花まんま」は子供の視点という設定に違和感を、「送りん婆」は時代設定等に無理を感じ、素直に作品世界に入り込めませんでした(もっと肩の力を抜いて読むべきなんでしょうが、作り込みの甘さを感じたわけです) その煽りか、最後の「凍蝶」に至っては、不遜にも、書き下ろしでこのレベル!?と作家の力量に疑問を持ったりして...(^^;;

 dan評価は★★★☆☆(5段階評価の3)。後半の書評が辛目となりましたが、大阪人は話のネタにどうぞ。